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第35回 東京国際映画祭




今年の東京国際映画祭はコロナ禍においても「映画館で映画を観る喜び」を伝えるべく映画館でのフィジカルな上映を基本姿勢とし、昨年から会場は日比谷・有楽町・銀座エリアに移りました。10月24日(月)のオープニングセレモニーは、初の会場となる東京宝塚劇場で行われ、クロージングセレモニーは東京国際フォーラムホールC、上映劇場は昨年の角川シネマ有楽町、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ有楽町、TOHOシネマズシャンテ、有楽町よみうりホールに加え、TOHOシネマズ日比谷(昨年はクロージングセレモニーのみ使用)、丸の内TOEI、丸の内ピカデリーの大型劇場が加わり街全体での盛り上げも感じられた映画祭。ポスターのビジュアル監修は昨年に引き続きコシノジュンコさん。「飛躍」をテーマに躍動感あふれるビジュアルが完成



今年の各受賞作品と受賞者は下記の通り

コンペティション部門

東京グランプリ/東京都知事賞 『ザ・ビースト』(スペイン/フランス)

 審査員特別賞 『第三次世界大戦』(イラン)

 最優秀監督賞 ロドリゴ・ソロゴイェン監督『ザ・ビースト』(スペイン/フランス)

 最優秀女優賞 アリン・クーペンハイム『1976』(チリ/アルゼンチン/カタール)

 最優秀男優賞 ドゥニ・メノーシェ『ザ・ビースト』(スペイン/フランス)

 最優秀芸術貢献賞 『孔雀の嘆き』(スリランカ/イタリア)

 観客賞 『窓辺にて』(日本)


アジアの未来 作品賞 『蝶の命は一日限り』(イラン)

Amazon Prime Video テイクワン賞 該当者なし

特別功労賞 野上照代





審査委員長ジュリー・テイモコメント:

『ザ・ビースト』は音楽、撮影、物語、脚本、役者、そして演出も本当にすべてに感動したし心を動かされる、これこそまさに「映画」だと感じさせてくれる作品でした。最後まで競っていた『第三次世界大戦』は本当にワイルドで、『パラサイト半地下の家族』や『ゲット・アウト』やチャップリンの『独裁者』のような映画で、本当にショックを受けましたし驚かされました。イランでホロコーストの映画が撮影されていて、現場の作業員が収容所の無理やりエキストラにさせられていたり、主人公の男性が困難な状況にある中でヒトラーにさせられたり非常に珍しい映画。ぜひ2本とも配給されてほしいと願っています。

私たちは馴染のあるものに慣れてしまっている傾向があるが、それは問題だと思います。そうではなく、自分ではない他の人の人生を経験し歩むことで自分を豊かにしてくれるのが映画だと思います。






海外ゲストも多く、イベントも開催された2022年の映画祭。開催前からの街全体の空気感が動いていたように感じられました。36回目の東京国際映画祭も東京から世界へ素晴らしい映画が届けられると期待感を持ち続けながら1年を楽しみにしていきたい。




名称:第35回国際映画祭

開催期間:2022 年 10 月 24 日(月)~11 月 2 日(水)

©2022 TIFF

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